汎太平洋民族美術
PAN PACIFIC OCEAN TRIBAL ART


汎太平洋民族美術に寄せて

 今から5万年前、サフール大陸(オーストラリア、ニューギニア)やスンダ大陸(ボルネオ、ジャワ、アジア大陸)のあった太平洋のまわりには、お尻に蒙古斑のあるモンゴロイド人種が、数多くちらばって生活しています。その土地の多くは、人間にとって大切な酸素を生み出す緑の土地です。
 彼等は、仏教・イスラム教・ヒンズー教・キリスト教などの大きな大きな宗教に影響を受けながらも、したたかに自分達の信奉する精霊崇拝に生きています。
 自然界の様々なものやことを神様と敬い、祈り、恩恵を受ければ感謝し祭り、生活しています。その生活から生み出された彫刻・仮面・生活用具は、全て、どうしても必要とされてつくられたもの達です。装飾も飾りではなく、そこにこの文様がなくてはならないものなのです。生活の中からつくらざるを得ないでつくられたものには、いつの世でも感動せざるを得ません。私達と親戚筋にあたる諸民族の文化を知る事で、自分の拠り所を確認し、生きてゆく事が、喜びを生み出す仕事につながるものと思います。
 「ありとあらゆる物と事とのなかから見付け出した喜び」が美の正体であると陶工河井寛次朗は言いました。喜びが美の正体であるとはなんとすばらしい事でしょうか。ここに集められた500余点のもの達から喜びを見出せば、それはもうあなたの美であり、私の美ともなります。
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